革のアレコレ: 革の種類・特徴
グローブレザー
グローブレザーとはその名の通り野球グローブに使用する革を指します。
基本的にはクローム鞣しの革がベースとなる革素材で、耐久性、柔軟性、弾力性に優れているのが特徴です。
耐久性のポイントは鞣し工程にあります。通常のクローム鞣しは石灰を使用して脱毛を行い、その後脱灰(*石灰を取り除く作業)して染色工程に移りますが、(*石灰分が残っていると染料が浸透せず革の断面までしっかりと染まりません。)グローブレザーの場合は石灰分を残して芯まで染料を浸透させずに仕上げる“半芯通し”を行います。石灰分には革の密度を高める効果があります。染色行為は基本的に革にダメージを与えるのであえて石灰分を残し染料が入りにくいようにして革の耐久性を保っています。この脱灰工程が他の革とは違うグローブレザーならではの鞣しの特徴になります。(*仕上げに顔料を使用するとボールの摩擦やダイビングキャッチの際に革の表面が剥げてしまうので染料を使用します。)
柔軟性を出す為に表面に残りやすいオイルを使用しているのも特徴となります。使用する原皮はキップとステアハイドの牛革がメインになります。その中でも北米などの海外原皮は繊維が密でグローブレザーの特徴である弾力性を生みます。
近年では更に柔軟性を求める傾向が強く同時に軽さも求められるようです。各グローブタンナーの試行錯誤が続いています。
ハシモト産業が提供するグローブレザー「カルロス」は「耐久性」「柔軟性」「弾力性」を活かしつつ芯通し(若干石灰を残して)を行いバックや小物にも使いやすくしています。