革のアレコレ: なめし・染色

植物タンニン鞣し

植物タンニン鞣しとは、植物の樹皮や幹などから抽出されるタンニンを使用する鞣し方法を指します。

皮革の鞣し剤として使用されるのは、南アフリカ産のミモザから抽出されるワットルエキス、南米のケブラチヨから抽出されるケブラチヨエキス、ヨーロッパのチェスナットから抽出されるチェスナットエキスの3種が主になります。それぞれを単独で使用したり混合して使用したり皮革に合わせて鞣しを行います。

植物タンニンで鞣された革の特徴は「ヌメ革」の項目にもありますが、コシが強く日光や手の油で色や風合いが経年変化します。タンニン鞣しの後、染色や仕上げを行わない素上げの「ヌメ革」はタンニンの種類により色や質感に差異が出ます。

古くは、19世紀イギリスでビールやワインの樽に使用されていたオークから抽出したタンニンで革を鞣していましたが、濃度が低く抽出に時間がかかりました。そこでより濃度の高いタンニンを含む植物を探し出した結果、様々な植物からタンニンが抽出されることがわかりました。現在では150種ものタンニンが発見されています。

なめし・染色