革のアレコレ: なめし・染色
クロム鞣し
クロム鞣しとは、塩基性硫酸クロムという薬品を使用する鞣し方法を指します。
クロム鞣しは基本的に洗濯機のような大きなドラムに薬品と革を入れドラムの回転による遠心力で薬品を革に浸透させます。一度に100枚程の革を投入できるので大量生産と短納期が可能になります。また、塩基性硫酸クロムはタンニン剤と比べて安価のためコストダウンにもつながります。
これらの要因により現在では革全体の8割がクロム鞣しにより製造されています。元々はタンニン鞣しに代わる手法として100年程前にドイツで開発されました。現在でもドイツではカーフやキップといった小判をクロムで鞣す有名なタンナーが存在します。
仕上がった革の特徴はクロム革でも掲載していますが伸縮性と発色性が高く柔軟で引き裂きなどの強度にも優れます。ただ塩基性硫酸クロムは重金属にあたるのでごく稀に金属アレルギーの方に反応してしまうことがあります。